NOVELS

第20回「ゆきのまち幻想文学賞」で入賞!

雪をテーマにした幻想的な小さな物語を募集する「ゆきのまち幻想文学賞」。

執筆した『百年の雪時計』が2010年、第20回の佳作に入賞いたしました。

作品は『ゆきのまち幻想文学賞小品集20』でお読みいただけます。

『百年の雪時計』あらすじ

 吹雪の夜、ひとり車を走らせていた雪乃は、交差点で怪我をしたおじいさんに出会う。百年前に建てられた時計塔のねじを巻きに急ぐ途中、転んで足を痛めたという。奇妙に静まり返った町。止まった時間。「早く時計のねじを巻かなければ、町の人たちの眠りが深くなりすぎて、目を覚ませなくなってしまう」。そう聞いた雪乃は代わりに時計塔にのぼり、渾身の力で古い時計のねじを巻いたところ――。

 人々の暮らしを守ろうとする時計職人の誇りが、時空を超え、降りしきる雪のように静かに町を包み込む。大雪の日に起こる温かな魔法をリリカルに描いた短編ファンタジー。