28Dec2020知恵という羅針盤~『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』を読む今年最後に、凄い本に出会ってしまった。タラ・ウェストーバー『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』(早川書房)。
11Nov2020谷津矢車『絵ことば又兵衛』を読む谷津矢車先生の『絵ことば又兵衛』(文藝春秋)を読みました。「浮世絵の祖」といわれる江戸時代の絵師、岩佐又兵衛の一代記。ページをめくる手が止まらないけれど、いつまでも小説の世界から出たくない。そんな本との出会いは幸福です。又兵衛がなぜ、「山中常盤物語絵巻」のような凄惨な絵を描かなけ...
14May2019僕は、そして僕たちはどう生きるか読んだあと、手の中に、ずっしりとした重みが残る読書がある。最後のページを閉じてからも、登場人物の何気ないせりふや、物語の中を吹いていた風の香りが自分の中に残っていて、日常のふとした瞬間に顔を出す。年に何冊か、そういう宝物の本との出会いがあって、巡り会えたときには胸が高鳴る。この本...
20Dec2018アウシュヴィッツの図書係人はなぜ、本を読むのだろう。暇つぶしのため。知識を得るため。新しい世界に出会うため。答えはきっと、本を読む人の数だけある。そしてこの物語『アウシュヴィッツの図書係』の主人公の少女、14歳のディタにとって、それは生きるため、人間らしさを失わないためだ。