豊かさとは自分の周りの世界を照らすこと

子どもを預けようなんて、どうして考えてしまったんだろう。

私は泣きながら、車のアクセルを踏み込んだ。聞こえるはずがない子どもの泣き声が、耳の奥にこびりついて離れない。生命の危機とばかりに真っ赤な顔で泣き叫びながら、必死に私に手を延ばしていたわが子を他人の家に置いてまで、しなければならないことなんて、本当にあるんだろうか?

生後10ヶ月の長男を、初めて身内以外の人の手に預けた日のことは、8年経った今も鮮明に覚えている。10ヶ月間お腹の中で育て、生まれてからも昼夜を問わず抱っこして育てた赤ん坊を手放すのは、たった数時間と頭では分かっていても、自分の腕か足を切り落として置いてきたように、心細く不安だった。

(つづきは↓)


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