マインドフルネスカレーのつくり方

玉ねぎに包丁を入れたとき、「あれ?」と思った。

いつもと何かが違う。

私は首を傾げた。

近所のスーパーで買った、何の変哲もない、ごくふつうの玉ねぎである。

いったい何が違うのか、確かめるように、少しゆっくり切ってみる。

ざりざりと包丁の刃が繊維を断ち切る感触があり、薄く切れた玉ねぎが、まな板の上にぱたんと倒れた。白い断面がきれいだった。

「ああ、気持ちいいな」と私は思った。

――気持ちいい?

自分で自分の感覚をいぶかしく思った。

ふだんの私は「料理なんて面倒くさい。できるだけ早く終わらせたい」と思っているからだ。

(つづきは↓)



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