六条御息所なんかこわくない
朗読者の飯島晶子さんが、源氏物語に取材し、朗読と能や声明、和楽器が融合した舞台を創るというお話を聞いて、拝見してまいりました。
文字を読むだけ、お能の舞台を観るだけだと、古典はどうしても難しく感じられてしまいますが、この舞台は丁寧な解説があり、とてもわかりやすかったです。
能の動き、声明の音律、笛と小鼓の音色にいざなわれて、あたりを見回すと、いつの間にか平安時代、物語の世界に入り込んでいます。賀茂祭の華やかな喧騒。そして六条御息所の生き霊に取り憑かれた葵上の額に浮かぶ汗までも、眼前に立ち上がってくるよう。
飯島さんの張りのある、凛とした朗読のお声に身を委ねると、六条御息所が味わった屈辱や悲しみ、戸惑いや光源氏に寄せる狂おしい想いまでも、手に取るようにリアルなものとして感じられます。
すぐれた語り手の声によって物語が命を吹き込まれる、稀有な場面を目撃する貴重な機会をいただきました。
今回の主人公である六条御息所という女性のことを、noteに書きました。
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